AWS Tools for Windowsの提供が終了します
しばたです。
本日AWSより以下のブログが公開され「2023年6月1日をもってAWS Tools for Windowsの提供を終了する。」とアナウンスされました。
本記事ではこの件に関して解説していきます。
AWS Tools for Windows?
最初に上記ブログを見た時に 「AWS Tools for PowerShellでなくてAWS Tools for Windows?記載ミスかな?」 と思ったのですが、ブログを読んでいくと「AWS Tools for Windows」という別ツールの話であることがわかりました。
私はクラスメソッドで働きはじめて約4年ほど経ちますが「AWS Tools for Windows」の存在を今日初めて知りました...AWSは奥が深いですね。
このAWS Tools for Windowsは2013年からリリースされ、Windows環境向けの以下の開発ツールをまとめた統合MSIインストーラーとして今日まで更新され続けています。
そして、このAWS Tools for WindowsはEC2 Windows Serverに上記ツールを初期セットアップするためのツールとしても使われており、本日時点で最新のAMI環境を確認したところ確かにインストールされていました。
以前の記事で「AWS Tools for PowerShellの更新履歴に謎バージョンが記載されている」旨の内容を書きましたが実はこいつ(AWS Tools for Windows)のバージョンだったんですね...謎が一つ解明されました。
提供終了の理由と今後の対応方法
提供終了の理由はシンプルで、2013年のリリースから10年経過した2023年現在はWindows開発および.NET開発におけるパッケージマネージャー(NuGetやPowerShell Gallery、Visual Studio Marketplace等)の利用が一般化しており統合インストーラーの必要性が薄れたためです。
今後はツール毎で各種パッケージマネージャを使いインストール・更新する様にしてください。
AWS SDK for .NET
AWS SDK for .NETはNuGetからインストールするのが一般的でしょう。
もしくはZipファイルから直接アセンブリをダウンロードすることも可能です。
なお、上記リンクにあるAWSToolsAndSDKForNet.msi
はAWS Tools for Windowsの実体なのでご注意ください。
AWS Tools for PowerShell
AWS Tools for PowerShellはPowerShell Galleryからインストールすると良いでしょう。
どのモジュールをインストールすべきかは歴史的経緯があり少しややこしいので以前書いた入門記事を参考にしてください。
AWS Toolkit for Visual Studio
AWS Toolkit for Visual StudioはVisual Studioの「拡張機能の管理」を使うかVisual Studio Marketplaceからvsixファイルを直接ダウンロードしてインストールしてください。
AWS CodeCommit Credential Helper (git-credential-AWSS4.exe)
AWS Tools for Windowsでは上記以外にAWS CodeCommit Credential Helperの名目でgit-credential-AWSS4.exe
というバイナリも提供しています。
どうもWindows向けの古いCredential Helperの様で、現在のドキュメントには一切出てこないのですが、過去の資料にちょっとだけ記載されているのを見つけました。
現在はgit-remote-codecommit
を使うことが推奨されていますので以下のドキュメントを参考にしてください。
EC2インスタンスの扱い
AWSブログによれば、
Amazon EC2 Windows AMIs will no longer have the MSI preinstalled and will no longer appear as installed in add/remove programs. The AWS Tools for PowerShell will continue to be available on the EC2 Windows AMIs.
とのことで、AWS Tools for Windowsの提供終了後もAWS Tools for PowerShellのプリインストールは継続するとのことです。
具体的なインストール方法までは明記されていませんがZipファイル版のAWSPowerShell
モジュールを使うだろうと予想されます。
また、AWS SDK for .NETやAWS Toolkit for Visual Studioについては一切記述されていませんが、両者ともEC2にプリインストールする必然性が薄いのでAWS Tools for Windowsの提供終了と共に除外されると思います。
最後に
以上となります。
正直なところほとんどの方には影響の無い話だと思います。
古い環境でこのAWS Tools for Windowsを使用している場合は適宜インストール方法を更新してください。